1936年、和歌山県高野町生まれ。1955年に貸本漫画家としてデビューし、『
週刊少年サンデー』などで活躍した漫画家です。恐怖ものの第一人者として認識されていますが、その創作範囲は非常に広く、SF、ギャグ、時代劇など多岐にわたり、少年漫画から少女漫画、青年漫画まで手がけています。1972〜1974年に連載した『
漂流教室』は代表作で、多くの読者に影響を与えました。1995年以降は腱鞘炎などの理由で漫画制作を休筆し、1990年代後半からはタレント活動に注力していました。東京都吉祥寺に住居兼オフィスを構えて活動していましたが、2024年10月に逝去しました。
最も有名な『
漂流教室』は、学校ごと荒廃した未来世界に飛ばされた小学生たちが、絶望的な環境で生き抜くために団結する冒険活劇です。子どもたちが直面する飢餓や未知の脅威、心理的な葛藤がドラマチックに描かれています。『
おろち』は怪談的な世界観で、古い日本の恐怖を描いた作品です。『
わたしは真悟』は人間関係を深く掘り下げた作品として知られています。楳図作品全体の特徴は、洗練された画風と緻密な描写で、ホラーであっても単なる驚かせに頼らず、心理描写やストーリーの構成に力を入れていることです。時代によって様々なジャンルに挑戦しながらも、人間の内面や社会への問題意識が一貫して流れています。
入門には『
漂流教室』が最適です。サスペンス・冒険としての面白さが強く、描かれた未来世界も現代読んでも色褪せていません。シリーズの第1巻から順序通り読むことで、子どもたちの絆と成長が伝わってきます。『
おろち』は短編集で、ホラーの傑作を体験したい場合に向いています。現在も電子版や文庫版など複数の版が流通しており、入手しやすい状況です。楳図作品は時代背景を反映しているため、発表順に読むことで作家の変遷を感じられますが、まずは『
漂流教室』で世界観に慣れてから、他の作品へ進むことをお勧めします。